趣旨

 現代は技術の時代といわれます。医学を取り巻く広い意味での工学技術の進歩も目ざましいものがあり、医用工学、最近では、医工学と呼ばれて、臨床の場で積極的に応用されるようになっています。
 とくに、近年目につくことは、医工学的知識・ 技術が、従来、計測・診断に応用されることが多かったのに対して、治療手段として広く採用されるようになったことであります。機械工学・化学工学・生物工学・電気工学・電子工学的な技術を導入した新しい治療法の中には、これまでの治療に対する観念を全く変えてしまったものもあります。
 臨床工学技士制度は、医工学治療の実務者の存在の必要性が、国家的に認められたことによると評価されます。
 このような時勢を背景にして、医工学治療についての知識・技術開発の相互啓発を主な目的として、医工学治療研究会が生まれましたが、会員数も500名を越えたのを契機に、1995年には日本医工学治療学会として再発足しました。
 医工学治療の特定の分野では、すでに同様な趣旨による活動が開始されているものもありますが、本学会では、医工学技術をどのようにして治療に応用するかということを共通の命題とする各技術の交流によって相互刺激効果の生じることも期待しています。

具体的な活動としては、次のようなことが行われています。

1. 学術大会(1998年から年2回)
2 . 医師・臨床工学技士・看護師・工学者を含む医工学治療従事者の研修
3 . 医工学治療関連刊行物の発行
4 . 研修用視聴覚メディアの製作

 そのほか21世紀の医療として一層の発展が期待される医工学治療に関心のある医師・理工学研究者・医工学治療技士(臨床工学技士)・看護師・メーカー・販売業者の方々の本会への入会をおすすめします。