呼吸器分科会

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日本医工学治療学会第33回学術大会呼吸療法セミナー開催報告

セミナー担当:礒部 威(島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科)

セミナー開催日: 学会第2日目 4 月 8 日(土)
セミナー会場: 第 5 会場

セミナーの開催にあたり世話人の礒部 威(島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科)から開会の挨拶を行い、二階 哲朗(島根大学医学部附属病院 集中治療部)の座長で午前中(9:30~11:40)のセミナーが行われた。演題はRS-1:集中治療・救急医療における呼吸管理①―新時代の人工呼吸管理法―、RS-2:集中治療・救急医療における呼吸管理②―体外循環による急性呼吸不全のマネジメント―の2演題で、いずれも大下慎一郎(広島大学大学院 救急集中治療医学)が講演した。重症呼吸不全に対する新しい技術を取り入れた治療の進歩に関して非常に分かりやすい講演であった。

ランチョンセミナー(12:00~13:00)は急性呼吸不全と呼吸療法:ハイフローセラピーを位置づけるという演題で古賀 靖卓(山口大学医学部附属病院先進救急医療センター)が講演し、座長は礒部 威(島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科)が担当。 共催はフクダライフテック中国株式会社であった。
午後のセッションは3演題でRS-3:呼吸リハビリテーションについて 原 祐樹(島根大学医学部附属病院 リハビリテーション部)、 RS-4:Electrical Impedance Tomography~呼吸モニタリングの実践~ 庄野 敦子(島根大学麻酔科学教室)、 RS-5: ECMO:膜型人工肺 extracorpeal membrane oxygenation 明穂 一広(島根大学医学部附属病院 ME センター)の3名による講演が行われた。座長は礒部 威(島根大学医学部附属病院 呼吸器・化学療法内科)が担当した。
いずれの演題も本学会の参加者にとって非常に有益な講演であった。

経過報告書(PDF:127KB)
プログラム(PDF:59KB)

第32回日本医工学治療学会 呼吸療法セミナ- 報告

日本医工学治療学会第32回学術大会 大会長 松田兼一先生のご尽力で,この会でも、呼吸療法セミナーが開催され、100名ほどの参加者が会場に参集され、熱心な討議がなされた。呼吸生理と呼吸管理で2時間、重症呼吸不全における呼吸管理で2時間のセッションが設けられた。

・山梨県立中央病院 総合周産期母子医療センター新生児科 内藤敦先生は 新生児から小児の呼吸生理と呼吸管理の解説の中で特に画一的戦略はもちろんないが、特に今ある肺を守りつつ、新たな肺の発育も促さなくてならないという命題が課せられているので基本となる解剖生理を熟知しておく必要性を強調されておられた。

・小児の急性期呼吸管理の基礎と題して山梨大学 医学部 小児科 河野洋介先生は小児の特性について解剖学的特徴と病態について解説し、4つの呼吸管理戦略と ここ最近のnasal high flow therapy NHFTの立ち位置を解説。戦略はあくまで、治療時の肺の状態の正しい把握である。ECMO導入の判断も勝算を見越した上で導入すべきものである。治療が肺自体の侵襲になっていることを忘れてはならない。などお話された。

・分かりやすい呼吸生理と肺保護戦略と題して、山梨大学 医学部 救急集中治療医学講座の森口武史先生は 低酸素血症をもたらす4つの病態の解説とALI/ARDS診療に対して一回換気に関わる圧変化の大小が救命率に関連していることの解説を中心に話された。

・日本医科大学附属病院 外科系集中治療科 市場晋吾先生は重症呼吸不全における呼吸管理―ECMO中の人工呼吸管理の中で、ECMO中の機械的人工呼吸法についてLung Rest の導入は理想ではあるが、その難しさを解説され、さらなる基礎と臨床研究の重要性を強調された。

経過報告書(PDF:73KB)
プログラム(PDF:173KB)

第31回日本医工学治療学会 呼吸療法セミナ- 報告

日本医工学治療学会第31回学術大会 大会長 末田 泰二郎先生のご尽力でこの会でも、呼吸療法セミナーが開催され、150名ほどの大会長の目指した多くの現役若手参加者が会場に参集され、熱心な討議がなされた。呼吸管理に必要な基礎知識の解説から始まったセミナーはそれぞれの状況のなかで呼吸管理がどう活用され、今後どうあるべきかを解説。後半は理学療法士、臨床工学士がどう呼吸管理の現場で活躍しているか、またどう活躍すべきかを解説した。2015年12月の時点、日本では呼吸療法認定士が40,358人認証されている。1996年から始まった日本のこの認定制度も20年になろうとしている中で、77年の歴史を有する米国呼吸療法士学会の歩みと将来設計についての解説があった。今後の日本の呼吸器疾患は米国の呼吸器疾患と大きく重なるものであり、先達から多くの事、特に本当のチーム医療の詳細を学ぶ必要があることが、強調された。

下記が発表内容です。

呼吸療法セミナー1
日時:3月28日(土)10:00~12:00
会場:第2会場(広島国際会議場 B2F ダリア2)
座長:河本 昌志(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 麻酔蘇生学)
「呼吸管理に必要な基礎知識」
演者:濱田 泰伸(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 生体機能解析制御科学)
「救急・集中治療領域における呼吸管理」
演者:廣橋 伸之(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 救急医学)
「手術中の呼吸管理」
演者:濱田 宏(広島大学大学院医歯薬保健学研究院 麻酔蘇生学)

呼吸療法セミナー2
日時:3月28日(土)14:30~16:30
会場:第2会場(広島国際会議場 B2F ダリア2)
座長:小林 紘一(慶應義塾大学 名誉教授)
「集中治療室から始まるリハビリテーション」
演者:田代 尚範(広島大学病院診療支援部リハビリテーション科)
「北海道大学病院における人工呼吸器の管理」
演者:加藤 伸彦(北海道大学病院 ME機器管理センター)
「呼吸療法士について日米の比較―日本での現時点、これから、呼吸療法士の果たす役割」
演者:渡部 和巨(湘南鎌倉総合病院 外科)

経過報告書(PDF:73KB)
プログラム(PDF:173KB)

第14回呼吸療法セミナーin湘南

大会長:渡部和巨
    (米国呼吸療法学会国際部会日本責任者
     湘南鎌倉総合病院副院長、茅ケ崎徳洲会総合病院院長代行兼務)
日時:第1日目 2014年 7月19日(土)
   第2日目 2014年 7月20日(日)
場所:湘南藤沢徳洲会病院
主催:日本医工学治療学会呼吸器分科会
後援:財団法人 日米医学医療交流財団
   特定非営利活動法人 日本呼吸ケアネットワーク

呼吸療法認定士60名限定のアドバンスト・コースを米国の最前線で指導しているLonny Ashworth教授を招聘して、短期間ではありますが、米国の呼吸療法士が受けている実践的教育を受けてもらい、認定士の質向上が出来ればと始めたこのセミナーも今回で14回目です。応募は年明けから始まりほぼ一カ月で定員となり、会は粛々と進み、さり気なく終了すると言った感じです。参加者のレベルも高く総合評価で高得点が目白押しで皆せめぎ合っています。この会は2006年からNational Board for Respiratory Care (NBRC)から認定されています。日本でも呼吸ケアチーム加算が付き、看護協会認定 慢性呼吸器疾患看護が認定看護師の一つに加わり、2013年の1月に行われた慢性呼吸器疾患認定審査を経て60人弱の認定看護師が誕生しました。関係医学会6学会【日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会、日本呼吸療法医学会、日本集中治療医学会、日本生体医工学会】が後援し、「呼吸療法専門臨床工学技士認定制度」が2012年からはスタートしました。少しずつではありますが、米国の呼吸療法士のようなしっかりしたものに近づいて行ければと思っています。三学会合同呼吸療法認定士は1996年に始まり2015年2月時点で37,109名の合格者がいます。日本呼吸ケア・リハビリテーション学会は新しい制度として呼吸ケア指導士制度という資格を医師、歯科医師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士・管理栄養士、薬剤師、放射線技師、言語聴覚士、臨床工学士、臨床検査技師、介護福祉士、その他の呼吸ケア領域で専門職種として活動できる立場の人を対象にして検討し、導入後初級・中級・上級コースを設けてスキルアップをはかれるよう計画しています。対外的には日本の多くの組織を横断的・包括的にまとめた組織すなわち日本呼吸療法学会を作って行きたく、今年こそはその端緒を作る所存です。

日本医工学治療学会第30回学術大会 in 名古屋

「呼吸療法セミナー」が、下記日程にて開催されました。
セミナー受講者数は72名、全体で約100名が参加されました。

日時:2014年3月22日 10:00~12:00, 14:00~17:00
会場:ウインクあいち 会議室1103

プログラム
午前の部
 座長 西田 修 先生(藤田保健衛生大学病院 麻酔・侵襲制御医学講座教授)
    﨑山亮一 先生(東京女子医科大学 臨床工学科助教)

1)大垣市民病院 呼吸器内科 安藤守秀 先生
「人工呼吸管理に必要な解剖・生理学および代表的な呼吸器疾患・管理」

2)公立陶生病院 臨床工学部臨床工学室 春田良雄 先生
「人工呼吸管理の基本・初期設定と安全管理・教育」


午後の部
座長 野崎裕広 先生(社会保険中京病院 呼吸器内科部長)
   久保貴嗣 先生(社会保険中京病院 リハビリセンター)

3)公立陶生病院 中央リハビリテーション部 小川智也 先生 
   「人工呼吸管理:フィジカルアセスメントと人工呼吸療法中のリハビリテーション」
4)公立陶生病院 救急部 長谷川隆一 先生
「人工呼吸管理:鎮静とせん妄管理を中心に」

5)社会保険中京病院 歯科口腔外科 大林修文 先生 
「人工呼吸管理:VAP管理とチーム医療」 

第12回呼吸療法セミナーin湘南

大会長:渡部和巨
    (米国呼吸療法学会国際部会日本責任者
     湘南鎌倉総合病院副院長、茅ケ崎徳洲会総合病院院長代行兼務)
日時:第1日目 2012年7月14日(土)
   第2日目 2012年7月15日(日)
場所:湘南国際村センター
主催:日本医工学治療学会呼吸器分科会
後援:財団法人 日米医学医療交流財団
   特定非営利活動法人 日本呼吸ケアネットワーク

 呼吸療法認定士80名限定のアドバンスト・コースを米国の最前線で指導しているLonny Ashworth教授を招聘して、短期間ではありますが、米国の呼吸療法士が受けている実践 的教育を受けてもらい、認定士の質向上が出来ればと始めたこのセミナーも今回で12回目です。会は粛々と進み、さり気なく終了すると言った感じです。参加者のレベルも高く総合評価で高得点が目白押しで皆せめぎ合っています。
 日本では呼吸ケアチーム加算が付き、看護協会認定 慢性呼吸器疾患看護が認定看護師の 一つに加わり、2012年60人弱の認定看護師が誕生しました。三学会合同呼吸療法認定士も1996年に始まり2012年1月の時点で合格者総数は31,513名となりました。
 関係医学会6学会【日本胸部外科学会、日本呼吸器学会、日本麻酔科学会、日本呼吸療法医学会、日本集中治療医学会、日本生体医工学会】が後援し、「呼吸療法専門臨床工学技士認定制度」が2012年からはスタートしました。
 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会は新しい制度として呼吸ケア指導士制度という資格を医師、歯科医師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士・管理栄養士、薬剤師、放射線技師、言語聴覚士、臨床工学士、臨床検査技師、介護福祉士、その他の呼吸ケア領域で専門職種として活動できる立場の人を対象にして検討し、導入後初級・中級・上級コースを設けてスキルアップをはかれるよう計画しています。
少しずつではありますが、米国の呼吸療法士のようなしっかりしたものに近づいて行ければと思っています。
 小学、中学そして高校と12年が終了した訳です。第13回からは60名に参加者を絞って参加者に各認定士が勤務している医師の参加を含めた3人1組で20グループでのセミナーを企画して見たいと考えています。

日本医工学治療学会 第28回学術大会呼吸療法セミナー

日時 平成24年3月25日(日) 9:00~15:30
場所 北海道大学学術交流会館 小講堂
参加人数 168名

プログラム
9:00~12:00 呼吸療法セミナー1
          座長 札幌医科大学病院 臨床工学室 室橋 高男

1.人工呼吸器に必要な生理学の基礎
          札幌医科大学医学部 救急・集中治療講座 升田 好樹

2.人工呼吸管理のトピックス
          札幌医科大学医学部 麻酔科学講座 吉田真一郎

3.人工呼吸器の感染管理
          北海道大学病院 感染管理部 小山田玲子

13:30~15:30 呼吸療法セミナー2
          座長 北海道大学病院 手術部 加藤 伸彦

4.人工呼吸器保守管理のポイント
          旭川医科大学 診療技術部 臨床工学技術部門 宗万 孝次

5.わが国の呼吸ケアチームと呼吸療法士の将来
          湘南鎌倉総合病院 外科 渡部 和巨
感想
 学会会期中の3月25日呼吸療法セミナーを渡部和巨先生ご指導の下、企画、実施させていただきました。お陰様で168名の参加を得ることができました。北海道内では呼吸療法を専門に学べる機会が少ないということからも有意義なセミナーであったと思います。遠くは稚内、釧路、函館等からの参加もいただきました。
 現在、北海道内には3学会合同呼吸療法認定士が1030名おります。これらの方々の資格更新ポイント取得可能なセミナーでもあり好評でありました。
 今後も日本医工学治療学会会期中の人工呼吸セミナーが、末永く継続されることを願っております。